当サイトではアフィリエイト広告を使用しています。
Amazon などのネット通販や、ebay などのオークションサイトを通じて、輸出・輸入が簡単にできる時代ですね。
この記事で取り上げる CTES(サイテス)について知らないまま、個人輸出・輸入をすると、大変なことになるかもしれません。
この記事では、CTES(サイテス)とは何か、どんな商品は危ないのか、どんな手続きが必要かについてまとめています。
CITES(サイテス)とは?
CITES(サイテス)とは「ワシントン条約」のことですね。
ワシントン条約とは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」です。
英語で書くと「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」略して「CITES」というわけです。(参考:外務省「ワシントン条約」)
「ワシントン条約なんて、生き物を扱わなければ大丈夫でしょ?」と思われがちですが、革製品や木材など、加工品も対象になります。
思いがけないものが登録されているかもしれません。
事例:高級時計が税関でストップ!
ワニ革が登録されている?
以前、こんな事例がありました。
ebayで売れた高級時計を発送したところ、関税でストップし、戻ってきました!なんと CITES(サイテス)に引っかかったらしいのです。
販売したのは、40万円近くするワニ革の高級時計です。なんと「ワニ革」が CITES(サイテス)に登録されているので、発送するには「輸出許可証」が必要とのことです。
「輸出許可証」って?
「輸出許可証」について、管轄の経済産業省に問い合わせてみたところ、「お前にできるわけない」みたいな対応で、ほとんど教えてくれませんでした…
結局、自力で調べたところ、かなり大変な書類だということがわかりました。
メーカーや販売店等から書類をもらったりなど、かなりの数の書類を集めないといけません。具体的な方法は後述します。
販売店にお願いして、事なきを得た
私の場合、買い付け元の時計店が親切で、お願いしたら「輸出許可証」を作ってくれました。
ただ、かなり大変な書類で、約一か月かかりました。
経済産業省に何度も提出しては修正を食らったらしいです。
リスクが高すぎる
私の場合は偶然うまくいきましたが、リスクが高すぎるので、もうワニ革時計は売らないことにしました。
「輸出許可証」は、1回作ればOKというものではないので、同じ商品でも、毎回同じ手続きをしないと輸出できません。
今回は親切なお店だったから良かったものの、最悪自分で用意するしかなかったでしょう。
お客さんも良い人で、キャンセルをせずに待ってくれました。普通なら必死に書類を作ったあげく、遅すぎてキャンセルを食らって終わりでしょう。
結論として、ワシントン条約に引っかかる商品は、輸出できないわけではありませんが、かなりの時間と手間がかかるということです。
CITES に登録されている商品
CITES(サイテス)に登録されている主な商品は以下のとおりです。
木製の楽器
2017年から、楽器用の木材として使われる「ローズウッド」という樹木が、CITES(サイテス)の対象になりました。
これは、ほとんどのアコースティックギターやエレキギターに使われています。
リコーダーやクラリネット・ピッコロなどの木管楽器類も要注意です。
革製品
前述の通り、ワニ革はCITES(サイテス)に登録されています。
ワニ革を使用した時計やバッグ類が対象になるということですね。
ヘビやトカゲの革も対象です。
象牙製品
象牙(ぞうげ)製品も対象です。楽天では象牙製品が販売禁止になりました。(参照:楽天市場コンプライアンス)
日本国内における象牙取引の規制強化が進んでいるようですね。
根付け、アクセサリーなど、象牙で作られた製品、一部でも象牙を含む製品は CITES の対象です。
輸出・輸入したい場合の手続き方法
ワシントン条約に関係する商品を輸出・輸入したい場合、どんな手続きが必要なのでしょうか。
経済産業省のサイトに、手続きの概要が説明されています。
手続きの流れを、以下に簡単にまとめました。
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのどれかを調べる
ワシントン条約に登録されている動植物は、「条約附属書」の中で、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3つに分類されています。
どの分類かによって対応が違うので、輸出入をしたい動植物が、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのどこに分類されるのかを、まず調べる必要があります。
学名で分類されているので、正式な学名を調べないとダメです。ネット検索をすれば出てくると思います。
学名が分かったら、経済産業省に公開されている「条約附属書」のPDFデータを、ブラウザ等の検索機能を使って、学名で検索すればいいわけです。
附属書Iの場合
この分類の場合、商業目的の国際取引が、原則禁止になっています。
日本原産のものを輸出する場合と、外国産のものを輸出する場合(再輸出)とで手続きが異なります。
- 輸出の手続き詳細はこちら→経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸出手続き」
- 輸入の手続き詳細はこちら→経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸入手続き」
附属書IIの場合
この分類なら、目的にかかわらず取引が認められますが、承認が必要です。
つまり、必要書類を用意すれば発送できます。
この場合も、日本原産のものを輸出する場合と、外国産のものを輸出する場合(再輸出)とで手続きが異なります。
- 輸出の手続き詳細はこちら→経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸出手続き」
- 輸入の手続き詳細はこちら→経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸入手続き」
附属書IIIの場合
この分類の場合も、必要書類を用意すれば発送できます。
日本原産のものを輸出する場合は「原産国証明書」、外国産のものを輸出する場合は「再輸出証明書」が必要です。
- 輸出の手続き詳細はこちら→経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸出手続き」
- 輸入の手続き詳細はこちら→経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸入手続き」
まとめ
- CITES(サイテス)=ワシントン条約とは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」である
- CITES(サイテス)は動植物の加工品も対象になる
- CITES(サイテス)の対象となる商品を輸出するには、毎回複雑な手続きが必要である。