【リスクも解説】Amazon輸出とは?どういうビジネスなのか

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Amazon輸出とは、どういう仕組みのビジネスなのでしょうか。Amazon輸出の種類と、リスク・注意点について解説します。「Amazon輸出はもう稼げない」という話もありますが、それが本当かどうか検証してみましょう。



Amazon輸出とは

Amazon輸出とは「海外のAmazon」に出店して販売することです。海外に引っ越したりする必要はありません。

Amazonは、発祥の地であるアメリカだけでなく、ヨーロッパやアジアなどの各国にあります。アメリカは「Amazon.com」、イギリスは「Amazon.co.uk」など、別々のドメインで運営されていて、各国のAmazonが別のサイトのような扱いです。

海外のAmazonで販売するには、「その国のAmazonセラーアカウント」を個別に作成する必要がありますが、日本のセラーアカウントを作るときと同じ流れで、日本にいながら簡単に作成できます。

問題は「商品の発送」ですが、国際郵便などを利用して発送したり、日本と同じように事前に商品をFBA倉庫に送っておいたりなど、海外への発送は意外と簡単です。

Amazon輸出の始め方や商品発送の流れについて詳しくは、このページ内の「Amazon輸出の始め方」を参照してください。

Amazon輸出の種類

Amazon輸出には、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

卸サイト・ドロップシッピングサービスを利用する

卸サイト」から商品の仕入れをして、海外のAmazonで輸出するという方法があります。

卸サイトとは、小売り業者向けに「卸価格」で商品を販売してくれるネット通販サイトです。法人ではなく個人でも、多くの卸サイトを利用できます。

卸サイトの中には、仕入れる前に商品を販売できる「ドロップシッピング」が利用できるサイトもあります。

ドロップシッピング対応の卸サイトは「無在庫」の状態で販売できるのがメリットです。先に商品を仕入れて「在庫」として確保する必要がないので、最初の元手が少なくてもビジネスを開始できます。

無在庫販売について詳しくは以下の記事を参照してください。

規約違反?無在庫販売とは、どういうビジネスかを徹底解説

オリジナル商品を輸出する

Amazonで「オリジナル商品」を輸出することも可能です。

自社の開発した製品や、ハンドメイド商品など、工夫次第でさまざまな商品が考えられるでしょう。オリジナルグッズを作ってくれるサービスを利用するという手もあります。

商品のJANコードが登録されていればスムーズですが、無い場合でも「製品コード免除」の手続きをして、審査を通過できれば出品可能です。

ただし輸出規制の対象になる商品や、販売するのに許可が必要な商品ジャンルについては注意する必要があります。

メーカーや卸会社と契約して輸出する

メーカーと正式に卸契約をして、海外のAmazonで輸出するという方法もあります。

個人でもメーカーと卸契約することは可能です。電話やメールで連絡を取り「営業」をかけながら契約先を探していけばいいわけです。

あるいは前述の卸サイトを用意していないような、ハードルの高い「卸会社」を通じて仕入れるという方法もあります。

会社ごと最小ロット数(卸してくれる最低個数)の規定が異なるので、事前に確認しながら仕入れ先を探すことが重要です。海外への販売が禁止されていないかどうかも確認しましょう。

海外に進出していないメーカーなどと契約することで、大きく稼げる可能性を秘めています。

転売・せどり系の輸出

メーカーや卸業者などを通さず、日本国内で買った新品や中古品をAmazon上で販売する場合「転売・せどり系」の輸出に該当します。

転売は規約違反になるとは限りませんが、規定を十分に確認するべきです。ショップ側で「転売禁止」としている商品や、メーカーによる規制がないかなど、十分に注意する必要があります。

Amazonでは中古品の販売もできますが、オークションサイトと比べると商品状態の説明が難しいため、注意が必要です。海外はクレームや返品になることも多いということを覚悟する必要があります。

転売やせどりは、違法かどうかではなく「迷惑行為」にならないかどうかに注意すべきです。特に「自動ツール」を使って出品するやり方は、価格を不当につり上げる迷惑行為になりかねません。

詳しくは当ページ内の「自動ツールの利用は要注意」を参照してください。



Amazon輸出のリスクと注意点

どのようなリスクがあるのでしょうか。始めるにあたって注意すべき点を解説します。

転売は、さまざまな違反になりやすい

Amazon輸出の中でも「転売・せどり系」を選ぶ場合には、法律違反や、Amazonの規約違反迷惑行為などに該当しないよう特に注意すべきです。

転売禁止の商品や、正式に契約していない販売店による輸出が禁止されている商品など、「転売してはいけない商品」「輸出禁止の物」を扱わないようにしましょう。

法外な値段で売りつけるような迷惑行為はもちろん避けるべきです。

また在庫を持たずに販売する「無在庫転売」は、やり方を間違えるとAmazonの規約違反になります。詳しくは以下の記事を参照してください。

規約違反?無在庫販売とは、どういうビジネスかを徹底解説

アカウント停止(サスペンド)のリスクが高い

Amazonは、規約違反をしていなくてもアカウント停止(サスペンド)をしてくることがあります。

どういう基準でサスペンドになるか、具体的な情報が公表されていません。自分のアカウントがサスペンドになった場合に、理由を問い合わせても教えてくれないので、「原因不明」のサスペンドも起こる可能性があります。

Amazonは楽天市場やeBayとは異なり、基本的に「Amazonが商売をするための場所」です。そのため、少しでも邪魔なセラーはすぐに排除されるのが基本でしょう。

Amazonでアカウントがサスペンドされないように完璧な対策を講じるのは難しく、いつサスペンドを受けてもおかしくないというスタンスで臨む必要があります。

キャッシュフローが悪化しないよう注意

Amazon では、売り上げが「2週間ごと」に入金されます。そのため、入金が遅くなって、キャッシュフローが悪化するリスクが高いという点にも注意しましょう。

アカウントがサスペンドになれば、最長90日間、入金が先延ばしになる可能性もあります。入るはずのお金が、3か月も先延ばしになるのは、かなりのキャッシュフロー悪化です。

始めて間もないセラーは、「売り上げが急に伸びたから」という理由だけでも入金が保留されることがあります。

Amazonでは「何かと入金を保留されやすい」ということを想定しておき、資金に余裕をもって運営する必要があるのです。

返品リスク・配送リスクがある

物販ビジネスには「返品リスク」がつきものです。特にAmazon輸出は外国人相手。日本人よりも気軽にクレームや返品をしてくることを想定しておきましょう。

また海外は日本と比べると配送業者の取り扱いが雑な場合もあり、配送途中で商品の行方が分からなくなる「配送リスク」もあります。

返品や配送リスクによって資金繰りが悪化するリスクがあるため、ある程度の運転資金を確保しておくことが重要です。

自動ツールの利用は要注意

Amazon輸出の自動ツールとは、国内と海外のAmazonの商品価格を自動的に検出し、「価格差」があって利益の出せる商品を自動的に抽出するツールです。

ツールによっては、仕入れ先として国内のAmazonだけでなく、楽天やヤフオク!などにも幅広く対応しているという宣伝文句で出回っているものもあります。

このようなツールを使った場合、自動的に大量に出品することになるので、何を出品したのかを把握しにくくなり、多くのリスクを背負うことになります。「知的財産権の侵害」になる商品を出品していれば、アカウント停止や、裁判、逮捕という結果にもなりかねません。

さらにツールでは価格を自動調整するので、機能によっては価格を不当につり上げる迷惑行為につながる可能性もあります。

輸出の基本知識が必要

輸出系のビジネスが初めての場合には、輸出に関する「基本知識」を身に付けておきましょう。特に重要なのは以下の3点です。

  • 関税について
  • 輸出禁止品について
  • 消費税の還付について

「関税」とは、商品を受け取る側が支払う税金です。商品のジャンルごとに異なる税率が課され、国によって条件はさまざま。アメリカでは「課税対象額が1万円以下」など一定の条件を満たせば関税が免除されることもあります。

関税は通常、購入者が支払うことになりますが、海外のFBA倉庫を利用する場合はセラーが支払います。

「輸出禁止品」など海外に発送できないものは販売しないように注意が必要です。以下の記事に詳しくまとめています。

要注意!eBayやAmazon輸出の出品禁止・規制商品まとめ

「消費税の還付」とは、輸出ビジネスに関する仕入れにかかった消費税の支払いを免除されるというものです。Amazon輸出で売上があった場合、還付の手続きをすることで、かなりの金額が戻ってくることがあります。詳しくは以下の記事を参照してください。

eBay や Amazon など個人輸出の消費税還付の手順、必要な書類について

もう儲からない?Amazon輸出の現在

Amazon輸出は「もう儲からない」という話もあります。実際のところはどうなのでしょうか?

「儲からない」と言われる理由

Amazon輸出が儲からないという話のほとんどは「転売・せどり系」のことを指しています。

転売・せどり系のAmazon輸出は気軽にできる副業として一時期流行しました。その結果ライバルが増え、転売・せどり系のAmazon輸出が飽和状態にあり、利益を出すのが難しくなっているのは事実です。

前述のとおり、転売・せどり系はAmazon輸出の一種にすぎません。きちんと卸会社やメーカーを通して輸出したり、自社商品を海外へ販売したりする普遍的なビジネス形態が儲からないというわけではないのです。

つまり「Amazon輸出は儲からない」のではなく「転売・せどり系のAmazon輸出は難しい」ということ。私たち自身、Amazonで買い物をしていて、転売の商品を購入したいとは思わないでしょう。ユーザー目線で歓迎されないサービスが廃れていくことは避けられないのです。

売れるための必須条件とは

Amazonで商品が売れるための必須条件は「Amazon本体が出品・販売していない商品である」ということです。これはどの国のAmazonでも共通します。

Amazonが、eBayや楽天市場などと決定的に違うのは、前述のとおり「Amazon本体が販売するためのサイトである」という点です。Amazonのビジネスのライバルになるようなセラーには徹底的に不利になる仕組みになっています。

その上で「他のセラーの出品価格より安い」ことも必要です。Amazonでは、価格が安い順に表示されるので、少しでも高い商品は売れにくくなっています。

この条件を満たせるのは、やはり「自社商品」「海外未発売のメーカーの商品」など、ライバルが少ないものを販売することでしょう。

Amazon輸出のコンサルを受けるべき?

「Amazon輸出の方法を教える」という情報商材やコンサル業者は信頼できるのでしょうか?検討するにあたって考慮すべき注意点を3つ解説します。

最も重要な情報は「何を売るか」

Amazon輸出の成功を左右する、最も重要な要素は「何を売るか」です。どんな商品を選ぶかによって全てが決まるといってもいいでしょう。

情報商材やコンサル業者は「何を売るか」については教えてくれません。

教えてくれたとしても、同じものを販売して成功するとは限らないのが物販の常識です。同じものを販売するセラーが増えれば、価格競争に巻き込まれて売れなくなってしまう可能性が高くなります。

アカウント停止になったら無駄になる

もしAmazonのアカウントが停止(サスペンド)になったら、情報商材やコンサル業者に払ったお金が無駄になってしまうという点も考慮しましょう。

リスクについての説明で述べたとおり、Amazon 輸出は、いつアカウントがサスペンドされてもおかしくありません

もし情報商材やコンサル業者から「アカウント復帰の仕方も教えますから大丈夫」と言われても信用しないでください。アカウントを復帰できるかどうかはAmazonの判断によるので「絶対に復帰できる方法」は存在しません

新しいアカウントを作って回避することも、基本的は不可です。サスペンドを受けたアカウントと、住所や電話番号など、何らかの「共通点」が見つかると、同じようにサスペンドされる仕組みになっています。

友達の名義を借りて新しいアカウントを作る人もいますが、これはいわゆる「名義貸し」のようなことをお願いする行為です。借りる相手に不信感を与えかねないという点は把握しておきましょう。

基本的なやり方はネットで分かる

Amazon輸出の基本的なやり方は、インターネットを調べれば分かるという点も考慮しましょう。

情報商材やコンサル業者にお金を払っても、インターネットよりも詳しい情報を得られるとは限りません

コンサル業者にサポートとしてもらうことで「モチベーションを保つのに役立つ」という考え方もありますが、その場合は最初に大きなお金を払わせるようなリスクの高い業者ではなく、月額制で退会しやすいインターネットサロンなどの方がコストパフォーマンスが良いでしょう。

いずれにしても、まずはインターネットで無料で得られる情報を使ってチャレンジすることをおすすめします。

Amazon輸出の始め方

Amazon輸出を始めるまでの流れを、簡単に確認しておきましょう。スタートして販売するまでは簡単です。難しいのは、やはり「何を売るか」という戦略の部分でしょう。

海外Amazonのアカウント作成

まずは出品のための海外Amazonのアカウントを作成します。手続きの流れは、日本で出品する場合と同じです。

日本国籍で、日本の住所と電話番号で問題なくアカウントを作れます。

ただし、海外サイトなので、入力する文字はアルファベットです。ローマ字表記で、名前と住所を記載していきます。

料金プランも日本のAmazonと同じで「小口出品」と「大口出品」の2つのプランがあります。アメリカのAmazonの各プランの料金は、以下のとおりです。

Individual(小口出品) 月額固定費無料 + 1商品あたり $0.99 の販売手数料
Professional(大口出品) 月額固定費 $39.99

上記の手数料とは別に、「カテゴリー販売手数料」と呼ばれる費用がかかります。

商品カテゴリーによって違いますが、売り上げから8~15%程度の手数料が、さらに引かれるイメージです。

詳しくはアマゾンのヘルプを参照。

売上を受け取るための海外送金サービスのアカウント作成

日本のAmazon出品と異なるのはこの部分です。日本の銀行口座を、売上金の受取口座に指定できないので、海外の口座を作るか、海外Amazonセラー向け資金受取サービスを使う必要があります。

海外の銀行口座を持っていればそれを使えばいいのですが、持っていない人も多いでしょう。そのため、多くのセラーは「資金受取サービス」を活用しています。

良く知られているのは「World First」(ワールドファーストと「Payoneer」(ペイオニア)です。

Amazonなどで海外販売をする人が利用している資金受取サービスで、受取金額の「0.15% – 2.0%」の手数料が必要ですが、海外の銀行口座がなくても日本から気軽に利用できます。

出品データの入力

あとは商品情報を入力するだけです。操作方法は日本のAmazonでの出品と同じですが、英語表記という点につまずくかもしれません。

Google翻訳など、ブラウザの翻訳機能を使うという方法もありますが、日本のAmazonと見比べながら入力する方法もおすすめです。

基本的に同じ場所に同じ入力項目が表示されているので、日本のAmazonの入力画面の同じ場所を確認すれば、何が書かれているのかが分かります。

だれも販売したことがないオリジナル商品などを販売開始する場合には入力項目が多くなりますが、すでに他のセラーが販売している商品については、価格や在庫数などの簡単な入力だけで出品できます。この点も、日本のAmazonと同じですね。

売れたら商品を発送

商品が売れたら通知が来るので、EMS(国際郵便)などを使って、購入者に商品を発送しましょう。

商品ごとに梱包して発送手続きをするのが大変なら、「スピアネット」や「黒船物流」などの転送サービスに代行してもらうことも可能です。

また「FBA倉庫」と呼ばれるAmazonの運営する倉庫に事前に商品を送っておけば、商品が売れたときにAmazonが発送を代行してくれるので、毎回発送する手間が省けます。

日本のAmazon販売の場合には「日本のFBA倉庫」に商品を送りますが、輸出の場合には「海外のFBA倉庫」に送る必要があります。この場合の関税はセラー負担です。

FBA倉庫への商品発送さえも転送サービスに代行してもらえば、さらに手間が省けるでしょう。

これからは堅実なAmazon輸出の時代

以前はAmazon輸出というと、転売業者がほとんどでした。しかし多くの転売業者によって競争が激しくなった今では、転売以外の方法が求められているといえるでしょう。

そもそもAmazon側は転売業者をあまり歓迎しないのが基本で、ユーザーも転売業者はなるべく利用したくないのが現実です。

オリジナル商品の輸出や、正規に卸契約をして輸出するなど、本来の「堅実なAmazon輸出」をしていかなければ生き残れない時代だといえるでしょう。