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個人輸出を始めるために、まず「どこで輸出するか」を決める必要があります。利用できるサイトは主に「Amazon」と「eBay」の2つです。それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。この記事では、Amazon 輸出と eBay 輸出を徹底比較しています。
大前提として、サイトの趣旨が全く違う
Amazon と eBay では、サイトの「目的・趣旨」が違います。それは「出品者がどのような扱いを受けるか」に影響する重要なポイントです。両サイトの趣旨を確認しておきましょう。
Amazon は通販サイト
Amazon は通販サイトなので「新品」の取り扱いがメインです。そして忘れてはならないのが「Amazon が商品を販売するための場所」という特徴もあります。
楽天市場のように多くのお店が集合した「ネットショッピングモール」ではなく、基本的に Amazon という一つのお店が商品を販売するための通販サイトです。
Amazon 以外の出品者(セラー)も販売できるようになっていますが、あくまでも Amazon 本体が販売していない商品を「補う」ためのサポート役のような存在です。
セラーは「いてもいなくても困らない存在」という扱いを受けます。セラーは、できるだけ Amazon の商品とは競合しないように工夫することが求められるということです。
eBay はオークション・フリマサイト
一方の eBay はオークション・フリマサイトで「中古品」の販売がメインです。また「セラーが販売するためのサイト」なので、セラーがいないと成り立ちません。
そのため、Amazonと比べるとセラーは「大切な存在」として扱われやすいという違いがあります。
アカウント停止リスクが違う
eBay と比べると、Amazon はセラーがサスペンド(停止・凍結)を受けるリスクが高いことで知られています。サスペンドのリスクについて両サイトを比較しましょう。
Amazon はサスペンド理由が不明
Amazon は「理由を述べず」に、突然サスペンドしてきます。そのため丁寧に運営していてもサスペンドを受ける可能性をゼロにできません。
サスペンドにする基準の詳細が公表されていないので、Amazon 輸出をする場合には「いつサスペンドされてもおかしくない」という覚悟で運営する必要があります。
サスペンドを受けると、その後の販売ができなくなり、別アカウントを作って回避することも不可能です。サスペンドから復帰できる場合もありますが、二度と復帰できない場合もあります。
前述のとおり、Amazon が販売するためのサイトなので、「自社の邪魔になりうるセラーはできるだけ排除したい」ということでしょう。
eBay は違反しなければ基本的にOK
eBay の場合は、サスペンドの理由が明確であり、基本的には規約違反をしなければサスペンドを受けることはありません。
例えば禁止商品を販売しないことや、不適切なコメントを避けるなど、セラーとして当たり前のことを守っていれば、サスペンドを回避できます。
eBay はセラーによって成り立っているサイトなので、「他のユーザーの迷惑になるセラーだけを排除する」というというスタンスでしょう。
参入障壁の高さが違う
参入障壁については「Amazon の方が低く、eBay の方が高い」といえます。
Amazon はすぐに大量出品できる
Amazon は「出品数に制限がない」ので、誰でもすぐに大量出品できます。Excelデータなどを使って、一括で大量に出品することも可能です。
大量の商品があるなら、始めた瞬間から大きな利益を得ることができます。
Amazonは「参入しやすく、追い出されやすい」ということです。
eBay は最初のうちは出品枠が少ない
一方の eBay は出品枠が決められていて「最初のうちは出品の上限が低い」ので、最初から大量の商品を販売することはできません。
「Monthly selling limits」(=月間出品上限)というものがあり、最初は「月間10品、月間合計500ドルまで」が上限として決められているのです。
大量の商品や、高額の商品を販売するには、上限を広げてもらう「リミットアップ交渉」をして、少しずつ出品できる枠を広げていく必要があります。
リミットアップ交渉は、電話やメールでカスタマーサポートに連絡して行います。日本語は非対応なので、英語で話すか、英文のメールを送る必要があるわけです。
つまり eBay では「出品枠」と「英語」が参入障壁となります。eBay は「参入しにくく、追い出されにくい」といえるでしょう。
価格競争の厳しさが違う
Amazonの方が、激しい「価格競争」に巻き込まれやすい傾向があります。違いを詳しく確認しましょう。
Amazon は最低価格じゃないとダメ
通販サイトの Amazon は、基本的に最低価格じゃないと売れにくい仕組みになっています。
最低価格の出品者だけがトップに表示されるようになっていて、価格の比較も一目瞭然だからです。
「自動的に価格調整する機能」を使うと、常に最低価格になるように設定できますが、それは他のライバルも同じ設定をしてくることがあるということ。Amazon本体もその機能を使うことがあるので、最低価格で出品するのは簡単ではありません。
eBay は最低価格じゃなくてもOK
一方オークション・フリマサイトの eBay は、最低価格じゃなくても売れることが珍しくありません。
「出品したばかりの時」と「終了時間が近いとき」など、上位に表示される方法がいくつかあるので、最低価格でなくても売れる場合があります。
オークションサイトなので「価格交渉」ができるというのも理由です。最低価格じゃなくても、交渉を受け入れる設定にしていれば、買ってくれる確率が高くなるわけです。
価格が少し高くても、「評価」が高いセラーの方が安心だからという理由で売れることもあります。
売上が入金されるまでの期間が違う
eBay の方が、売上が入金されるタイミングが早いです。それはキャッシュフローに影響する重要なポイントなので、詳しく確認しておきましょう。
Amazon は入金までに時間がかかる
Amazon の売上金は「2週間ごと」の周期で入金処理される規定です。14日ごとに、過去の14日分の売り上げが入金処理されるわけです。
入金処理されても、すぐに振り込まれるのではなく、実際にはさらに3~5日後に振り込まれることになります。売上金を受け取るまでに時間がかかることを覚悟しておきましょう。
あと、Amazonでは入金が「保留」にされることが多いという点にも注意が必要です。何か不正をしたわけでもないのに「売り上げが急に上がったから」など、さまざまな理由によって保留にされ、入金が遅くなることがあります。
アカウントがサスペンドになった場合は、最長「90日間」入金されないことがあるという点も把握しておきましょう。
eBay は即入金
一方の eBay は基本的に「即時入金」です。商品が売れると「PayPal」(ペイパル)のアカウント残高に即時反映されます。
ただしPayPalアカウントから銀行口座にお金を移動させるには3~5日かかるという点は覚えておきましょう。
PayPalのアカウント残高は、そのままでもネット通販の支払いなどに使えるので、銀行口座に移動させなくても利用可能です。いずれにしても、Amazonよりはキャッシュフローが良いといえます。
また、eBay での販売を始めたばかりのセラーは、売れてから21日間資金が保留さるという点に注意が必要です。
セラーとバイヤーの距離感が違う
Amazonと比べて、eBayは「セラーとの密接なやり取りがしやすい」というメリットがあります。それがどのような違いにつながるのでしょうか。
Amazonはセラーとの関係を築きにくい
Amazonでも、セラーとバイヤーの間でメッセージのやり取りをすることは可能ですが、サイトの特徴として、あまり積極的なコミュニケーションが起こりにくくなっています。
確認程度のメッセージのやり取りをしたとしても「その後の付き合い」にはつながりにくく、リピーターを作ることは難しいでしょう。
値引き交渉がしにくいという点も、eBayと比べた場合のデメリットです。
eBayは価格交渉やメッセージを送りやすい
一方の eBayでは、値引き交渉や商品状態の確認などでメッセージを送りあうのが普通です。
その後の付き合いがしやすく、フォローしてお気に入りセラーとして保存したり、取引連絡とは関係なくても直接メッセージを送ったりできるので、SNSのような感覚で交流できます。
関係性を構築することでリピーターになってもらいやすく、新商品が出たらおすすめメールを送る「アップセル戦略」や、関連商品をおすすめする「クロスセル戦略」なども可能です。
まとめ
Amazon と eBay の違いの大前提として、Amzon は「通販サイト」であり、eBay は「オークション・フリマサイト」であるという点を押さえておきましょう。
そのうえで、ビジネスとしての Amazon輸出と eBay輸出の違いをまとめると、以下のとおりです。
Amazon | eBay | |
アカウント停止リスク | 大きい | 小さい |
参入障壁 | 小さい | 大きい |
価格競争率 | 大きい | 小さい |
キャッシュフロー悪化リスク | 大きい | 小さい |
購入者との距離 | 大きい | 小さい |
総合すると、以下のようにいえます。
- Amazon はリスクが高いが、すぐに大きな成果を出しやすい
- eBay はリスクが低いが、成果が出るまでに時間がかかる
以下の記事で、それぞれの特徴を詳しく解説しているので、参考にしてください。