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Web広告を配信できるサービス「アドネットワーク」は、ブログなどで広告収入を得るためにも利用できます。ブログの収益化でよく使われる「アフィリエイト広告」とは異なる点がいろいろあり、使い方次第で安定した収入を得ることも可能です。ブログで稼ぐために使えるアドネットワークについて、具体的なサービスを含めて詳しく解説します。
アドネットワークとは?「メディア側」の視点で解説
アドネットワークとは、「IT用語辞典」によると、以下のとおりです。
アドネットワークとは、インターネット広告のうち、広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、その多数のWebサイト上で広告を配信するタイプの広告配信手法である。または、そこで形成されたネットワークのことである。
出典:IT用語辞典バイナリ
つまり、あらかじめ登録されたサイトやアプリの、事前に設定した場所に「広告を配信するシステム」のこと。
どんな広告が表示されるのかは、Webサイトの内容や、ユーザーの関心などをもとに自動的に選択されます。
メディアにとっては、一度設定しておくだけで常に新しい広告が供給される点がメリットです。アフィリエイトなど他の広告とは異なり、広告主の予算などの関係で広告が停止になるリスクがありません。
アフィリエイト広告との違い
アフィリエイト広告との違いは「広告収入が発生する条件」です。
アフィリエイト広告の場合、申込や購入などの「成果」が発生しないと広告収入が発生しません。一方アドネットワークは、申込や購入などに至る「前の段階」で広告収入が発生します。アドネットワークで収入が発生する条件は、以下の2種類です。
- 広告のクリック
- 広告の表示(インプレッション)
いずれの条件もアフィリエイト広告と比べるとハードルが低いため「収入が発生しやすい」ことがメリットですが、報酬単価が低いことがデメリット。例えば、代表的な広告配信サービス「Googleアドセンス」の場合、「クリック1回で20~30円」「1,000回のインプレッションで50~100円」ほどが単価の目安です。
そのため「多くのアクセス数」を集めなければ、大きな収入を得ることができません。
その点アフィリエイト広告は、アクセス数が少なくても大きな報酬を得やすいことがメリット。詳しくは以下の記事を参照してください。
アフィリエイトとは?副業の始め方と、おすすめASP・広告配信サービス紹介
主なアドネットワーク一覧
主要なアドネットワークとしては、以下の7社が挙げられます。
- Google広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- LINE広告
- Yahoo!広告
- nend
- i-mobile
これらのうち、いくつかはWeb広告を配信したい「広告主」向けのサービスで、広告を掲載する「メディア」としては登録できないものもあります。
上記のうち、赤線を引いた「Google広告」「nend」「i-mobile」は、メディアとしての登録がOK。広告収入を得るために利用できます。詳しくはこちら。
アドネットワーク広告で配信される広告5種類
アドネットワークで表示される広告には、さまざまな種類があり、配信・表示される場所もさまざまです。主な広告タイプを5つ紹介します。
ディスプレイ広告
Webページの一部に、長方形に区切られた専用エリアで表示されるバナー広告や動画広告、テキスト広告などです。
例えば以下のようにWebサイトのサイドバーや、記事の本文下などに表示するために利用されます。
インフィード広告
記事一覧(フィード)の中に溶け込む形で表示される広告のこと。例えば以下のようなタイプです。
記事内広告(ネイティブ広告)
記事本文の中に溶け込む形で表示されるものです。例えば以下のように目次の前や、見出しの前などに表示されます。
リワード広告
アプリのダウンロードや動画視聴など一定の条件を満たすことで、ユーザーに対して「ポイントやコインなどの報酬を付与する広告」です。
多くの場合モバイルアプリ向けの広告として配信され、「ゲーム内で使えるコイン」や「ガチャを回すチャンス」などを付与する形で組み込まれます。
インタースティシャル広告
モバイルアプリ向けのフルスクリーン広告です。「レベルの切り替わり」など、アプリの使用上でキリの良いタイミングで表示されます。
アドネットワーク広告で収入を得る方法
アドネットワーク広告で収入を得るまでの基本的な流れ・手順は以下のとおりです。
手順1:広告を掲載するコンテンツを作る
まずは広告を掲載するブログなどの「コンテンツ」を作り、公開します。アドネットワーク広告を掲載できる主なコンテンツは、以下の3種類です。
- ブログ・Webサイトの記事
- アプリ(モバイル・Web・デスクトップ)
- 動画(YouTube)
ブログ・Webサイトの記事
アドネットワーク広告を掲載するために、「無料のブログサービス」も利用できますが、審査に通りやすいのは「オリジナルのWebサイト」です。
「WordPress」などの便利なツールがあるので、今では専門知識がなくても簡単にWebサイトを作れます。詳しくは以下の記事を参照。
【個人向け】Webサイト・ブログの作り方の種類は3つ!それぞれのメリット・デメリットを比較
アプリ(モバイル・Web・デスクトップ)
Google Play ストアや、App Storeで配信するスマホ・タブレット向けの「無料アプリ」を作って配信するという方法もあります。
またWeb上(ブラウザ上)で動作する、無料の「Webアプリ」を公開するというのもありです。
無料のアプリでも、「Googleアドモブ」などのアプリ向けアドネットワーク広告で収益化できます。
動画(YouTube)
動画を公開し、そこに広告を表示させて収入を得る方法もあります。つまりYouTubeのことです。
YouTubeの場合は、もともと動画広告などのアドネットワーク広告を表示する仕組みが用意されています。
投稿者に広告収入を還元しない動画サイトもありますが、YouTubeには、動画の投稿者にも広告収入を還元する「YouTube パートナー プログラム」というサービスがあるため、収入を得ることが可能です。
手順2:アドネットワークに登録。審査を受ける
次のステップは、アドネットワークへの登録です。一般的に無料で登録できます。
登録の流れはシンプルで、まずアドネットワークにアカウント登録して、自分のブログやアプリのURLなどを入力すると、後日、メールなどで審査結果が届くというもの。
審査の厳しさはアドネットワークごとに異なり、「Googleアドセンス」のように比較的厳しめのサービスもあれば、簡単な審査だけのサービスもあります。
手順3:ブログやアプリに広告コードを貼り付ける
審査に通過したら、いよいよ広告の貼り付けです。「広告コード」と呼ばれるhtmlコードを、ブログやアプリの広告を表示したい場所に貼り付けます。
「Googleアドセンス」の場合、簡単な設定だけで自動的に広告を挿入できる「自動広告」という機能もあります。
「YouTube パートナー プログラム」の場合は、「スキップ可能な動画広告」「バンパー広告」など、いくつかの種類から選択するだけの簡単設定です。
これで広告が表示されるようになります。
手順4:報酬が振り込まれる
広告クリックなどの条件を満たして報酬が確定すると、銀行口座に振り込まれます。「毎月1回」などのペースで到来する支払日に入金されるのが一般的です。
ただし「最低支払基準」があり、ある程度の収益が発生するまで振り込まれないことがある点に注意しましょう。
例えば「Googleアドセンス」や「YouTube パートナー プログラム」は、報酬の合計が「8,000円」を満たさないと振り込まれません。
最低支払基準に達するまでは入金が保留となり、基準に到達次第、次に到来する支払日に入金されるという流れです。
アドネットワークで「収入を得られるサービス」3選
アドネットワークは多くありますが、そのいくつかは広告を配信したい「広告主」向けで、広告を掲載したい「メディア」として登録できないサービスもあります。ここでは、メディアとして登録可能で、「広告収入を得るために利用できるアドネットワーク」を3つ紹介します。
Google広告
Google広告は、Google検索で表示される「リスティング広告」や、ブログに表示できる「ディスプレイ広告」、YouTubeなどで配信される「動画広告」など、Googleが提供するあらゆる広告サービスを一つにまとめたアドネットワークです。
広告収入を得るために利用できるサービスとしては、以下の3種類が含まれています。
- Google AdSense(アドセンス)
- Google AdMob(アドモブ)
- YouTube パートナー プログラム
Google AdSense(アドセンス)
自分のブログやWebサイトにアドネットワーク広告を表示できるサービスです。以下のタイプの広告から選んで利用できます。
- ディスプレイ広告
- インフィード広告
- 記事内広告
- 関連コンテンツ広告
- 検索エンジン広告
(参考:広告ユニットについて – Google AdSense ヘルプ)
登録の審査が厳しいことで知られていますが、基本ルールに沿ってしっかり作ればOKです。公式のヘルプページには、ある程度の資格要件が書かれています。
記事数が少なかったり、アクセス数が少なかったりすると落ちることが多いので、ある程度作りこんでから審査を受けるのが一般的です。とはいえ「詳しい審査基準」までは書かれていないため、審査に通過する確実な方法はありません。基本的には上記の公式ヘルプに沿って作るしかないでしょう。
審査期間は「数日」で終わることもありますが、「2~4週間」ほどかかることもあります。(根拠:Google AdSense ヘルプ)
Google AdMob(アドモブ)
自作のモバイルアプリやWebアプリに広告を表示できるサービスです。以下のタイプの広告があります。
- バナー広告
- インタースティシャル広告
- リワード広告
- ネイティブ広告
(参考:広告ユニット、広告フォーマット、広告の種類 – Google AdMob ヘルプ)
審査を受けるにはまず、アプリを Google PlayストアやApp Storeに登録し、「公開」することが必要です。
審査期間は「数日」で完了することもありますが、それ以上かかることもあります(根拠:Google AdMob ヘルプ)
YouTube パートナー プログラム
自分が投稿したYouTube動画に表示される広告で収入を得られるサービスです。以下の種類の広告から選べます。
- スキップ可能な動画広告
- スキップ不可の動画広告
- バンパー広告
- オーバーレイ広告
(参考:YouTube の広告フォーマット – YouTube ヘルプ)
登録するには、直近12カ月の総再生時間が「4,000 時間以上」で、チャンネル登録者数が「1,000人以上」などの条件を満たしている必要があります。
前述の「Google AdSense」のアカウントを持っていることも必要です。
審査を受けるには、まずYouTube パートナー プログラムの「利用規約」に同意して、AdSense アカウントに接続します。自動的に審査が行われ、通常は1カ月ほどで完了。審査に通過すると、広告を設定できるようになります。
審査に落ちた場合は、動画が「ポリシーとガイドラインを遵守していない」と判断されたということです。「30日経過後」に再びトライできるので、動画の内容を修正して次回に備えましょう。(参考:YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格 – YouTube ヘルプ)
nend(ネンド)
アフィリエイトで有名な「A8.net」(エーハチ・ネット)と同じ系列のアドネットワークです。
Webサイトやアプリ用の広告が利用できます。広告の種類は以下のとおりです。
- バナー広告
- アイコン広告
- ネイティブ広告
- インタースティシャル広告
- フルボード広告
- 動画広告
公式サイトにある「会員登録」のページからメディアとしての利用登録ができます。
i-mobile
こちらも国内大手のアドネットワークとして有名です。
サービス名に「mobile」が付いていますが、こちらもアプリだけでなくWebサイト用の広告も利用できます。広告の種類は以下のとおりです。
- バナー広告
- ネイティブ広告
- フルスクリーン広告
- リワード広告
- インタースティシャル広告
- 動画広告
- プレイアブル広告
「プレイアブル広告」は、広告の画面でそのままゲームなどのお試しができる広告のことですね。
こちらも公式サイトの「i-mobile Ad Network登録」のボタンから登録できます。
【注意点】アドネットワーク収入で稼ぐために知っておくべきこと
アドネットワーク広告での収入を得ることを目指すにあたって、あらかじめ知っておいた方がよい注意点が2つあります。
すぐに結果は出ないことを把握しておく
ブログなどを公開してから収入を得られるまでには、ある程度の時間がかかるのが一般的です。
アドネットワーク広告での収入には、ブログなら「アクセス数」、アプリなら「ダウンロード数」、動画なら「チャンネル登録者数」が多いことが必要ですが、どれも増えるまでに時間がかかります。
記事や動画などのコンテンツを、できるだけ沢山公開することも必要です。アドネットワーク広告は、コツコツ続けて少しずつ収入が増えていくものと覚えておきましょう。
最初は「収入ゼロ」が当たり前。ある程度稼げるようになるまでの間は、アドネットワークよりも短期間で稼ぎやすい「アフィリエイト広告」を併用するのがおすすめです。詳しくは以下の記事を参照。
アフィリエイトとは?副業の始め方と、おすすめASP・広告配信サービス紹介
いくら稼いだら確定申告が必要かも知っておく
「確定申告が必要になる収入目安」もあらかじめ知っておきましょう。
副業でも、1年間に得たアドネットワーク広告による所得の合計が「20万円を超える」と確定申告が必要です。
確定申告が初めてだと、わからないことだらけで余計な手間がかかってしまいます。副業を始めるにあたっては、確定申告をできるだけ楽に済ませる方法を、あらかじめ知っておくことが重要です。
アドネットワークやアフィリエイト収入の確定申告について詳しくは、以下の記事を参照。
アフィリエイト収入は確定申告が必要?必要になる基準収入と、楽に済ませる方法
まとめ
アドネットワーク広告は自動的に新しい広告が供給され続けるので、せっかく貼り付けた広告が配信終了になったり、時代やニーズの変化で古くなったりなどのリスクがなく、安定性が高いことがメリットです。
すぐに結果が出ないことがデメリットですが、コツコツ続けていけばだれでも収入を得ることができます。最初のうちは、比較的すぐに結果が出やすいアフィリエイト広告も併用して収入を確保していきましょう。