「せどり」とは一体どんなビジネスなのでしょうか。どうやって利益を出すのでしょうか。この記事では「せどり」の定義と種類、ビジネスの仕組み、本当に大丈夫なビジネスなのか?違法じゃないのか?という点をまとめました。
目次
「せどり」とは
「せどり」とは、三省堂「大辞林」(第三版)によると以下のとおりです。
古書業界の用語で、掘り出しものを見つけて安く購入し、他の古書店に高く転売すること。また、その業者。転じて、書籍・雑誌を古書店などから購入し、オークションなどを利用して買値より高く売って儲けることなどにもいう。
―三省堂「大辞林」(第三版)より
つまり「せどり」とは、本来は本の転売に限定された言葉ですが、現在では転売ビジネス全般のことを指すようになっていますね。せどりは主にネット通販サイトや、オークション・フリマアプリを利用して行われています。
「せどり」で利益を出すしくみ
転売って結局、値段をつり上げて儲けているだけじゃないか!と思えるかもしれませんが、そうとは限りません。せどりで価格差を生み、利益を出すしくみはいくつかあります。以下のとおりです。
中古品の目利き
ヤフオク・メルカリや中古ショップなどで、価格設定が間違っていて、本当はもっと市場価格が高いのに安く販売されているものを仕入れるという方法ですね。
希少価値の高い古本やフィギュア、骨董品などの転売がこれです。あるいは、リペアなどをして価格を上げるという方法もあります。
セールを利用する
期間限定セール等を利用して安く仕入れ、期間終了後に普通の価格で転売するという方法です。セールやポイントで安くなった分を利益にするわけです。
転売するには手数料がかかるため、よほど割引率が高くないと利益が出しにくいでしょう。安く仕入れる方法については、以下の記事を参照してください。
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市場価格の上昇
人気フィギュアの限定モデルなど、発売からしばらくして価格が上昇する商品があります。購入時の市場価格と、販売時の市場価格の差が、利益になるわけですね。
どの商品の価格が上昇するのかを読む能力が求められるので、ある意味、株や不動産で儲けるみたいなものですね。
輸出と輸入
日本では入手しづらい海外製品はたいてい、日本より海外の通販サイトのほうが安く売っています。逆に、海外で入手しづらい日本製品は、日本の通販のほうが安く売っている。
こういう、国による価格差を利用して利益を出すという方法があります。輸出のせどりによく使われるのは、Amazon と ebay(イーベイ)です。くわしくは、以下の記事を参照してください。
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自動ツールによる価格のつり上げ
転売の自動ツールを使って、自動的に価格差のある商品を発見して、利益を出している販売者が結構います。
こういう販売者が増えることによって、商品によっては異様に価格が上昇することがあります。自動ツールで利益上乗せした商品を、別の販売者が自動ツールで利益上乗せ…これを繰り返して価格が大変なことになるというわけです。
Amazonなどで時々、相場より異様に高い出品を見かけますが、おそらくこれが原因でしょう。これは本当に価格をつり上げているだけですね。この方法を推奨する情報商材が多く出回っていますが、自動化にはこういうマナーの悪い面があります。
「せどり」の種類
一口に「せどり」といっても、販売の流れによっていくつかの種類があります。主な3種類を紹介します。
実店舗せどり
ネットではなく実店舗で商品を仕入れるというせどりで、古本屋や家電量販店など仕入れ先は様々です。
近くに店舗が少ない地方などでは不利ですが、その地域、その店舗だけの激安価格・レア商品などを見つけることができれば、ライバルとの差をつけることが可能です。
電脳せどり
実店舗ではなくネットだけで仕入れをするせどり。なんで今さら「電脳」なんてSF的な用語を使うのかは謎ですね。
この場合、どこに住んでいても条件が同じですが、その分ライバルも多く、価格差も出しにくくなります。実店舗よりもはるかに仕入先の選択肢が広がるので、アイデア次第で色々なビジネスができますね。
「輸出入」「期間限定セール」「中古品の目利き」「自動ツール」などで利益を出すのが一般的でしょう。
無在庫せどり
無在庫せどりとは、「商品が売れてから仕入れる」という特殊なせどりです。
在庫が無い状態で販売するというのは、せどりだけでなく一般的な方法なので、「無在庫NG」というルールのあるサイトで販売しなければ全く問題ありません。詳しくは、以下の記事を参照してください。
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違法?本当に大丈夫なの?
ではせどりは違法なのか?という問題ですが、答えは「場合によっては違法になる」というものです。主に2つの点で違法になる可能性があります。逆に、正しい方法で行えば違法ではないということです。
「転売禁止」の商品だとトラブルになるかも
また、販売者が「転売目的での購入」「営利目的での購入」などを禁止している場合も、トラブルになるかもしれません。チケットなど、ものによっては詐欺罪、損害賠償請求の可能性もあるといわれています。
転売目的で商品を仕入れる場合、「転売禁止」など、それに類する表示がないかどうか必ず確認する必要がありますね。
「古物商許可」がないと違法になるかも
せどりをやるためには「古物商許可」を取ったほうがいいでしょう。中古品を売る場合は、間違いなく必要です。
新品でも、ヤフオクやメルカリなどで仕入れる場合は許可が必要になる場合があります。アマゾンや楽天で新品を仕入れるとしても、同じです。詳しくは以下の記事にまとめています。
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まとめ
「せどり」とは、元々は本の転売のことですが、今では転売ビジネス全般のことです。
せどりで利益を出す方法や、販売先は様々です。やり方によっては、市場価格を吊り上げるようなマナーの悪いビジネスになりますが、一概にあやしいビジネスというわけではありません。