【徹底解説】せどりとは?転売ビジネスのしくみと注意点

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「せどり」とは一体どんなビジネスなのでしょうか。どうやって利益を出すのでしょうか。この記事では「せどり」の定義と種類、ビジネスの仕組み、本当に大丈夫なビジネスなのか?違法じゃないのか?という点をまとめました。



「せどり」とは

「せどり」とは、三省堂「大辞林」(第三版)によると以下のとおりです。

古書業界の用語で、掘り出しものを見つけて安く購入し、他の古書店に高く転売すること。また、その業者。転じて、書籍・雑誌を古書店などから購入し、オークションなどを利用して買値より高く売って儲けることなどにもいう。

―三省堂「大辞林」(第三版)より

つまり「せどり」とは、本来は本の転売に限定された言葉です。

とはいえ現在で「せどり」というと、転売ビジネス全般のことを指しています。商品のジャンルに関係なく、主にネット通販サイトや、オークション・フリマアプリを利用して行われている転売のことを「せどり」と呼びます。

「せどり」で利益を出す仕組み6種類

せどりで利益を生み出す仕組みには、いくつかの種類があります。

「転売」というと、ただ値段をつり上げて利益を出したり、商品を買い占めたりするような悪いイメージが強いかもしれません。もちろんその手の転売も存在しますが、そればかりではないのです。主なせどりの種類を6つ紹介します。

中古品の目利き・リペア

これはヤフオク!やメルカリ、リサイクルショップなどを探して、市場価値の高いものを仕入れるせどりです。

販売されている価格と、実際の市場価値に差があるものを狙うということです。希少価値の高い古本やフィギュア、骨董品などの転売がこれに該当します。

状態の悪い中古品をリペア(修理・クリーニング)することによって価値を上げ、利益を生み出すというビジネスも可能です。

中古品を仕入れる方法は、オークション・フリマアプリだけでなく、「ジモティー」のような不用品を無料でもらえるサービスを利用する方法もあります。

市場価格の上昇

仕入れた時点では市場価値が低くても、しばらくすると希少価値が高くなることがあります。人気フィギュアの限定モデルや、期間限定で販売されたグッズ類などです。

購入時の市場価格と、販売時の市場価格の差が利益になります。

転売目的で限定品を購入し、販売終了になって市場価格が上昇したころに、高い値段で売るという手法です。このタイプのせどりは、本当は正規の価格で購入できたはずの人に「高騰した価格で購入させている」という見方もできるので、迷惑行為になりやすく、要注意です。

通販サイトから別のサイトへの転売(電脳せどり)

通販サイトで新品を仕入れて、別の通販サイトに転売するせどりも存在します。「電脳せどり」と呼ばれる手法です。

例えば楽天市場で買った新品に利益を上乗せして Amazon で転売するなど、「値段をつり上げているだけ」の転売が多く存在します。価格をつり上げないとしても、仕入れの際に獲得したポイント分で利益を出す転売行為もあります。

必ずしも違法行為とは限りませんが、「迷惑行為」に該当することが多い要注意のせどりです。また、通販サイトから通販サイトへ商品を移動させているだけの行為を「仕事といえるのか?」「その行為に何の意味があるのか?」という疑問は常に発生します。

仕事にやりがいを求める人や、家族や友達からどう思われるかが気になる人は要注意のせどりです。

輸出と輸入せどり

せどりは国内販売に限りません。海外で仕入れた商品を転売する「輸入せどり」と、日本の商品を海外に転売する「輸出せどり」の両方があります。

輸入の場合は、通常のオークション・フリマアプリなどで販売することになりますが、輸出の場合は、世界的なオークション・フリマサイト「eBay」を利用するのが一般的です。

eBayについて詳しくは、この記事内の「輸出せどりなら eBay」の項目を参照してください。

海外の Amazon を使って輸出せどりをする人もいますが、Amazon では基本的に転売が歓迎されないため、おすすめできません。Amazon で輸出をするなら、せどりではなく商品を正規ルートで仕入れて販売するのが基本です。詳しくは以下の記事で解説しています。

【リスクも解説】Amazon輸出とは?どういうビジネスなのか

無在庫せどり(要注意)

要注意のせどりとして「無在庫せどり」があります。

先に商品を仕入れるのではなく、商品が売れたあとに仕入れをして発送する手法を「無在庫販売」(ドロップシッピング)といいます。ドロップシッピングは一般的な販売手法で、特に問題があるやり方ではありません。

要注意なのは、無在庫の「転売・せどり」です。無在庫のせどりは、サイトの規約違反になることがあります。また「画像の無断使用」をすることになるため、著作権などに違反するリスクもある手法です。

無在庫販売をするなら、転売ではなく卸サイトやドロップシッピングサービスを利用しましょう。詳しくは、以下の記事を参照してください。

規約違反?無在庫販売とは、どういうビジネスかを徹底解説

無料お試し品の転売(不正・迷惑行為)

無料でもらった試供品を転売するせどりも横行しています。転売目的で試供品をもらい、有料で転売して利益を出すというせどりです。

多くの場合、無料お試しの試供品は規約上「転売禁止」となっているため、せどりに利用すると規約違反になります。

「法律じゃなくて規約に違反するだけなら大丈夫」という理解で正当化しながらやっている業者もいるでしょう。そのような業者は「規約違反=法律にも違反する可能性が高い」ということを理解していないのかもしれません。

試供品を提供している会社に対して「私は転売しません」という条件のもとに試供品をもらったはずなのに、それを守らないということは「詐欺罪」などに該当する可能性大です。

さらに、その会社の商品が転売され、格安で出回ってしまうわけですから、不利益をもたらす「迷惑行為」でもあります。



違法?せどりの注意点を確認

せどりは「場合によっては」違法になります。違法行為や迷惑行為にならないために注意すべき点を4つ確認しましょう。

「転売禁止」の商品はNG

転売禁止とされている商品をせどりに利用することはNGです。

前述の試供品だけでなく、通販サイトや実店舗で販売されている商品の中には、「転売目的での購入」「営利目的での購入」を禁止しているものがあります。

チケットなど、商品ジャンルによっては、転売することによって詐欺罪や損害賠償請求につながる可能性もあるのです。

法律であれ店舗の設けた規約であれ、禁止されている商品を販売しないように注意しましょう。

出品サイトの規約違反にならないよう注意

仕入れ先の規約ではなく、「出品するサイトの規約」に違反しないようにも注意が必要です。特に「新品」のせどりは規約違反になることがあります。

例えば Amazonでは、家電などメーカー保証のあるものは、新品として転売できません。新品として販売するには、メーカー保証を含めて購入者にきちんと提供する必要があります。

オークション・フリマアプリで転売が禁止になることはほとんどありませんが、Amazon のような通販サイトでは、新品の転売が厳しく規制されているということですね。

中古品は「古物商許可」が必要

中古品のせどりをする場合、通常は「古物商許可」を取得する必要があります

個人的に不用品を売るだけならOKですが、「業として」(ビジネスとして)継続的に中古品の販売を行うには許可が必要です。

古物商許可について詳しくは以下の記事を参照してください。

フリマ・オークション販売に「古物商許可」は必要か?新品だから大丈夫とは限らない!

他にも食品系など、取り扱うだけでも許可が必要なものに注意しましょう。

迷惑行為にならないように注意

せどりは、やり方によっては迷惑行為になることにも注意が必要です。

値段のつり上げや、限定品の買い占めなどの迷惑行為をしないことはもちろん「仕事としての価値があるのか」を考えることも忘れてはなりません。

仕事としての価値がないビジネスは、「ユーザーに歓迎されない」ということでもあります。そのようなビジネスは長続きしないのが世の常です。

「儲かれば正義」とでもいうような、「迷惑系せどり」にならないように注意しましょう。

せどりに使えるサイトは?

せどりの商品を販売するには、どのサイトを利用すればよいのでしょうか。いくつかの種類があるせどりの中でも、おすすめできる「中古品せどり(輸入含む)」「輸出せどり」の2種類ついて、それぞれに使えるサイトを紹介します。

中古品せどりならオークション・フリマアプリ

せどりの基本は「中古品」の販売です。それに適した販売場所は、オークション・フリマアプリです。輸入せどりにもおすすめできます。

主なオークション・フリマアプリは、以下の3つです。

  • ヤフオク!(PayPayフリマ)
  • メルカリ
  • ラクマ

オークション・フリマアプリは中古品販売がメインのサービスなので、価格交渉やコンディションの説明など、中古品販売に必要な機能が充実していることがメリットです。

Amazon でも中古品の販売は可能ですが、ユーザーとのコミュニケーションが取りづらいのがデメリット。新品を購入するユーザーが多いため、中古品の重要が少ないことも不利に働きます。

一方のオークション・フリマアプリは、ユーザーも中古品を購入するために利用しているので、抵抗感なく購入してもらえるのが魅力です。

本やCDなら Amazon

中古品の中でも「本やCD」などソフト系ジャンルに限っては、Amazon もおすすめできます。

Amazon はもともと本のネット通販サービスとして始まったサービスです。現在のシステムも、中古の本を購入しやすい仕組みになっています。

本やCDなどのソフト系商品は、あまり状態を気にせず、「読めればいい」「聴ければいい」とコンテンツ重視で購入する人も多く、コンディションについての説明が少なくても買われやすい傾向があります。

古本や中古CDを安く仕入れられる仕組みがあるのなら、おすすめできる販売サイトです。

輸出せどりなら eBay

輸出のせどりなら、世界的なオークション・フリマサイトである eBay(イーベイ)がおすすめです。

操作画面は英語ですが、仕組みや使い方はヤフオク! に似ています。eBay で出品すれば、アメリカだけでなく、世界中の人に向けた販売が可能です。

詳しくは、以下の記事を参照してください。

eBay輸出とは?そのメリットやリスク・注意点を徹底解説!

せどりをすると確定申告が必要?

せどりで利益を得ると、確定申告が必要になることがあります。

利益の目安は「年間20万円」です。それ以上の利益が発生した場合、副業でも確定申告が必要です。

せどりの場合、売上と経費の詳しい内訳を入力した「帳簿」の作成が必要で、それなりに手間がかかります。会計ソフトを利用すれば、その手間を大幅に削減可能です。

せどりの場合、銀行口座のデータと連携できる会計ソフトをおすすめします。詳しくは以下の記事を参照してください。

フリマアプリ販売に適した会計ソフトはどれ?そもそも必要かどうかも確認

まとめ

「せどり」とは、元々は本の転売のことですが、今では転売ビジネス全般のことを指しています。

せどりで利益を出す方法や、販売先はさまざま。仕入れた商品を「新品」として販売すると迷惑行為や規約違反になりやすいため注意が必要ですが、「中古品」として販売するなら一概に悪いビジネスとは限りません。

新品を販売するネットショップを考えているなら、せどりではなく卸サイトやドロップシッピング、メーカー契約など、「通常の仕入れルート」を考えるのが基本です。